若い女子と飲んだときのこと

先日、若い女子と飲みに行った。
そんな私は、別におっさんではない。
友人の若い女の子と飲みに行ったのである。
彼女は大学生で、私が忘れかけていたフレッシュさを思い出させてくれた。
こと恋愛に対して。

大学生の頃は、「大学デビュー」なんて言葉もあるくらいに華々しい。
灰色の受験生活を終え、ようやくがんじがらめの義務教育から解放された若者は、ここぞとばかりに羽目を外す。
例えば高校時代、恋愛なんて一切機会がなかったとしても、大学生になれば、どう転んだって一人くらい彼・彼女が出来るもの、なんて思ってもいた。
事実はどうだったかというと、何もせずとも誰かと付き合える、というのは迷信にすぎない、ということだけ言っておこうか。
それにしたって、結構みんな恋愛をするのは事実だ。
勉強はそこそこで、単位さえとれればよし、あとは結構遊んで暮らしている。
そうなると、比重はこと恋愛に傾くきらいがある。
(ちなみに、私の友人で飛び級をするような努力家もいたが、今思えば彼は実に堅実であった。)
好きな人に会う前にそわそわしたり、かわいい格好をしてみたり、化粧に気をつかってみたり。
今の大学生ももちろんそうだろう。
私の友人の話だと、彼女は遊びに行く街の、デパートや駅や駅ビルやらのトイレ事情に精通しており、どこのトイレにはコンセントのあるパウダリールームがついている、とか、そんな情報は全て把握しているそうだ。
そこでデートの前に完璧に髪を巻き、化粧を整えて身支度をし、それから彼に会いに行くとのこと。
そして、それが幸せなんだそうだ。
その話を聞いて、はて、私の大学時代にそんなきらきらした感情があったろうか、と疑問に思ってしまった。
個人の資質も大いに関係している分野のようである。
それにしても、友人の話のように、昨今の女子大生がみんなデート前に身支度をするとなると、どの子もみんなヘアメイクアップアーティストばりの荷物を持ち歩いているということになるのだが。
好きということは、何につけても空恐ろしいものである。

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