古墳を探して
私の友人に古墳マニアがいる。
日本各地の古墳を訪ねて回っている。
驚いたのは、古墳マニアが彼女一人ではなく、そういうコミュニティがあるらしいことだ。
友人も決して一人で回っているのではなく、そのコミュニティの仲間達と巡り歩いているらしいのである。
好きなジャンルというのは人それぞれだけれども、思っている以上に誰かと共有できるものであるらしい。
彼女のブログ的なものをみていると、古墳の石室やら何やらから、大変楽しそうに顔を出しているので、ああ人間好きなことというものは実に大切なんだな、と感慨深く思っている。
と、それはさておき私も古墳を探して歩いたことがある。
ちなみに古墳マニアのその友人とは、全く何の関係もない。
ただ単に地図を見ていたら、近所に古墳があるらしいことが分かったので、さてと思ってでかけてみたにすぎない。
古墳というのは、別にマニアではない自分から見ても、はるか昔の人間の生きた証と言うか、歴史を肌で感じられるというか、そういうロマンあふるるものである。
だから近所にあるなら是非見てみたいと思ったのである。
何だか出土品も出たらしいという郷土情報もゲットしたので、これは是非見なければと結構楽しみにして出かけていった。
ところが、地図を頼りに出かけていった先は、何と共同墓地になっていた。
墓地の中に昔の墓があるのである。
感慨深そうでありながらも、実際別に全く感慨深くなかった。
親戚でも知人でもない、他人の昔の墓を見るために、他人の墓地へ出かけたのことになる。
しかも、その古墳は単なる土山であったので、むなしさはひとしおであった。