心の余裕が身の回りに表れる
学生時代、留学をしていた先で、シェアハウスに住んでいました。
大学の教授をしている中年の女性の家の2階の空き部屋を貸してもらっていたのです。
海外での大学生活は想像よりもずっと大変でした。
私自身は、あまり自分の精神的な面に気づいていませんでしたが、日に日に私の部屋は汚れていきました。
ある日、部屋を貸してくれている女性が用事があって私の部屋をノックして、中をのぞいたとき、彼女はとてもとても驚きました。
彼女の感覚では許せない程の部屋の汚さだったのです。
心理学の教授をしている彼女は、心の状態が身の回りにも表れるのだと教えてくれました。
心が綺麗な人、心が健康な人は、身の回りが綺麗に整理整頓されているのだそうです。
物に対しても、家族や友人と同じように、感謝し、大事にし、丁寧に扱うのだとか。
彼女は私に、「どうかしたの?何か辛いことでもあったの?」と聞いてくれました。
私はそのとき初めて、自分自身と向き合い、慣れない土地で母国語ではない言語で勉強して生活していく辛さやプレッシャーに気づくことができました。
心に余裕がないとき、心が汚いとき、人は、周りの人間に感謝をする余裕などなくなってしまいます。
それは、身の回りの物にまで表れます。
全てが投げやり、適当になってしまうので、整理整頓など出来ずに、どんどん散らかっていってしまうのです。
逆に、気持ちが沈んでいるときに、汚い部屋を片付けると、とてもすっきりすることってありますよね。
不要なものを捨てたり、掃除機をかけたりして、綺麗になると、気分が晴れやかになります。
まだ18歳だったあのとき、私を自分自身と向き合わせてくれた彼女にはとても感謝しています。