流行の「ナントカアート」を考察する

最近、語尾に「アート」とつけるのが流行っているようです。
ちょっと前に流行った「ラテアート」をはじめ、最近では「大根おろしアート」「ボールペンアート」「寝相アート」なんていうのもあるからびっくりしてしまいます。
作品を見てみると単純にすごいな~と感心してしまいますが、この風潮、個人的にはなんだかちょっとうっとおしい一面もあります。

職人さんの繊細な技が光る究極の一品!とかなら全然いいと思います。
だけど、流行ってるからちょっと挑戦してみました、っていうスタンスの輩って絶対いると思うんです。
そういう人達のナントカアートを見ると、なんでもかんでも「アート」ってつけて、「私ってセンスあるでしょ?」という自己主張、言ってしまえばただの自己満足に思えるのです。
まあ、趣味なんて自己満足の一種ですから、それが悪いことだとは決して思いません。
自分が作った作品が人に褒められたら、誰だって悪い気はしないですし。
私だって、うっとおしいとか言いながら、そういう芸術的センスや手先の器用さがあれば是非やってみたいと思います。
インターネット、SNSというツールを通じて誰でも手軽に自己主張できる時代だけに、流行を作り出すことも簡単だと思うんです。
最近の流行り廃りって、インターネット社会が生み出すまやかしのようなものに思えて仕方ないのです。
ナントカアートは十年後、二十年後も存在しているのか、それとも「そういえばそんなのあったね」程度のものに留まるのか、それは誰にもわかりません。

インスタレーションを見てきました

インスタレーションという分野のアート。
最近この手の作品が美術館へ行くとちらほら見られるようになった。
先月見て来たのは数十枚のたらいを3m程の高さから落とし、それを録画したもの。

たらいを落とした場所は美術館の展示室の一角なので実際に落ちたたらいを見る事ができる。
このたらいも作品の一つであったのだと思う。
この作品が何を伝えたかったのか、詳細は覚えていないし、ひょっとしたら説明も無かったかもしれない。
それでも、一種異様な光景に数分感見入って来ました。
そのたらいのインスタレーションが撮影されたビデオは展示室の白い壁にプロジェクターで投影されており、2台のスピーカー(結構大きなもの。
50Wくらいはありそう)から、たらいの落ちる時の音が流されていました。
スクリーンの映像はおそらく実際より少し縮小され、たらいを落としたときの音はおそらく、録音し、再生する時には実際の音量に近い状況まで調整をしているのではないでしょうか。
山手線のガード下に立っているくらいの音量が出ていました。

アートとは何かを考えて考えて行くと結局何でもいいのかもしれません。
思った事をやってみて、それを見た人が「おお。
いいな。」と思えるもの。
それがアートなのかもしれません。
もしかすると見た人が「つまらないな。」と思っても制作をしている人が「楽しい。」と思っているもの。
それもアートなのかもしれません。
インスタレーションはそんな事を物語ってくれているアートの種類の一つかもしれませんね。

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